同人誌は、「オタク文化」の中でも中心的なメディアとして認知されはじめました。コミックの愛好家やマンガ家を目指す若者が自費出版を行い、交流を深めているのです。こうした同人誌を販売するための即売会も各地で頻繁に開催されており、各分野から巨大な潜在マーケットとして注目されています。そして、彼ら同人誌作家の現在のトレンドがDTP――つまり、「パソコンで同人誌を作ること」なのです。
本誌は、その制作手法にスポットをあて、初心者向けに原画から入稿まで、コンピュータ・グラフィックを介した編集・出版の方法を解説します。
●パソコンで絵を描くってどうやるの?
パソコンは、「パーソナル・コンピュータ」と言うだけあって、用途に応じて、さまざまな機能を発揮できる機械です。WindowsにもMacintoshにも、初めから基本的なグラフィック機能が備わっているので、まずはそれを使って、「ビットマップとドロー画像の違い」など、CGに必要な基礎知識をレクチャーします。
●アプリケーションを使ってみよう
パソコンに初めから付いている機能では、本格的に絵を描くには役不足です。そこで、グラフィック用の「アプリケーション・ソフト」を使って、B5判同人誌のフルカラー表紙を作ってみましょう。ここでは、プロのCG作家からも定評のあるAdobe Photoshopというソフトを使って制作します。また、PaintShopProというアプリケーションでは、便箋や告知ペーパーなど、グッズ類の作り方も紹介します。
●スクリーン・トーンもパソコンでOK
モノクロのコミック制作で、もっとも面倒なのが「ベタ塗り」と「スクリーン・トーン貼り」です。パソコンを使えば、手作業では時間がかかる作業も、短時間で簡単に処理することができます。ここでは、Photoshopを使ってスクリーン・トーンの粒状態を再現する方法と、マンガ制作用に開発された「パワートーン」というソフトを使った方法を紹介します。
●いざ、印刷所へ!
パソコンで作ったデータは、原稿用紙に描いた原稿のような形では、印刷所に渡せません。フォント(文字)やドロー画像など、データ入稿についての「きまりごと」を、やさしく解説します。
●即売会での目立ち方
お客さんの目を引くには、個性的なアピールが必要になります。そこで、POP広告や大判ポスターのパソコンによる作り方なども紹介します。
[主な内容]
1章 Photoshopの基礎:紫雨 陽樹
2章 モノクロ・コミックの描き方:山吹 あらら
3章 CGのための原画・構図:雅日 あきら
4章 カラー表紙の描き方:さかざき 咲羅
5章 パスを使ってきれいに塗り分けよう:叶 晃紀
6章 素材に応じた質感の出し方:姫野 裕紀
7章 Illustratorで作る簡単&お手軽ロゴデザイン
8章 イベントに行こう!:紫雨 陽樹
9章 小説本の作り方:黒音 皓
10章 インターネット活用術
11章 ホームページを作ろう:つかPON
12章 入稿について 日本全国 データ入稿印刷所リスト
13章 付録 同人誌制作に役立つソフトウェア紹介
添付CD-ROM(体験版/アップデータ/フリーウェア/掲載記事関連データ収録)
[体験版(Windows/Macintosh)]
Adobe Acrobat Reader4.0J//Adobe Illustrator 8.0 日本語体験版/Adobe Photoshop 5.5 日本語体験版/Adobe PageMaker 6.5 日本語体験版/Macromedia Dreamweaver 3J 体験版/Macromedia Fireworks 3J 体験版
[アップデータ(Windows/Macintosh)]
Adobe PageMaker 6.53 日本語版アップデータ/Adobe Illustrator 8.0.1 日本語版アップデータ/Adobe Photoshop 5.0.2 日本語版アップデータ
[フリーウェア(Windows)]
GIMP 2000-04-16/AladdinStufflt Expander 5.1J/ほか
[フリーウェア(Maciotosh)]
AladdinStufflt Expander 5.5J/ほか
[掲載記事関連(Windows/Macintosh)]
CG見本/コミック参考/ほか
※ 内容が一部異なる場合があります。ご了承ください。
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