IT革命が喧伝され、政府も膨大な支出をそれに当てようとしています。 確かにコンピュータ、通信技術の進展はすさまじく、それを速やかに取り入れることは、政府、民間を問わず必要なことでしょう。 しかし、ここで問題にしたいのは、インターネットをはじめとするテクノロジーは確かに有用なものですが、悪用された場合にはその被害は従来の常識では考えられないものになる、ということです。たとえばSFに出てくる“ビッグブラザー”の世界が、現実になっているのです。
◎電子メールが米当局に読まれている! 本書では、米英をはじめとするアングロサクソン諸国の傍聴システム「エシュロン」とはどのようなものかを紹介するとともに、欧州諸国、米市民の反発などをレポートします。 ◎また、知的所有権によるがんじがらめの世界に対する一般市民からの反撃がインターネットではじまりました。「グニューテラ」「ナップスタ−」などがそれです。 音楽会社などはさっそく提訴しましたが、それに対する米司法当局の反応はまちまちで、米国の多様性を感じさせます。 ◎通信の機密を保つためには暗号化が不可欠ですが、究極の方式として注目されている技術に、「量子暗号」があります。本書ではこの量子暗号とはどのようなものかを、分かりやすく解説しています。
[本書の内容]
エシュロン 米NSAの世界的スパイ網 西暦2000年における通信傍受能力 電子的商用メディアの経済的危険性 欧州は反発、日本は迎合 アメリカ市民団体の動き 国際シンポジウム(東京) インターネットとセキュリティー 〜盗聴の仕組みと公開暗号方式〜 「Gnutella」と「Napster」の問題点 量子計算と量子暗号 <入門一歩手前> コンピュータと家畜社会
※ 内容が一部異なる場合があります。
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